私道所有者の同意書の変化

過去に受講しました研修会「所有者不明土地・建物への対処法」(立川正雄弁護士)が、実務を行う上で参考になりました事案がありましたので、研修会資料内容を基に記載します。
【私道所有者の同意書】
事例内容:売買対象土地の前面道路が3名の共有私道(2項道路)で、売買対象土地(敷地)の所有者は全く私道を所有していない。上下水道・ガス管を再度引こうとしたら、水道局やガス会社は、前面私道の承諾書を取らないと工事ができないとの見解である。どうしたいい?前面道路の所有者の一名が行方不明で住所も生死もわからない。どうしたらいい?
回答:1.水道の事業者・ガスの事業者に対し、改正民法第213条の2(継続的給付を受けるための設備の設置権等)により私道所有者の同意書がなくても、水道管・ガス管の敷設が法律上可能なことを説明して、工事をする(但し、これらの事業者は私道所有者からの反発を恐れ、私道所有者全員の承諾書を要求する場合が多い)。2.それでも、事業者が私道所有者全員の承諾書を要求する場合、改正民法第213条の2により、私道の掘削・管の敷設を承諾するよう調停・裁判を提起する。3.前面道路の所有者のうち1名が行方不明で住所も生死もわからない場合、改正民法264条の2(所有者不明土地管理命令)により、「管理人」を選任してもらい、任意に承諾書を取るか、他の共有者が反対しており、管理人だけ任意に承諾書を発行できない状況なら、他の共有者と一緒に相手方・被告にして私道の掘削・管の敷設を承諾するよう調整・最善を提起する。
という事で、行きつく先には調停や裁判を視野に入れないといけないようです。 いずれにしても改正民法は、過去のトラブルを活かして前進はしていますね!

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